あなたがもし、モノは大切に扱うことが当たり前だとして生きてきたのなら、まだ使えるものでもどんどん捨てる人があまり理解できないといったことがあるかもしれません。
また、捨てることが苦手で、モノをとっておく、溜め込む生き方をしてきたのであれば、すぐに捨てられる人、溜め込まない人が羨ましくも思えるかもしれません。
あなたの身近にいる「すぐ捨てる人」は、一体何を考えているのでしょうか?
あなた自身が、まだとっておきたい人、捨てるのにはもったいないと思う人なのであれば、「すぐ捨てる人」を見て、不思議に思ったり、すごいなと感心したり、やめてくれとストレスを感じたりすることがあるでしょう。
どんなことを感じているのかはわかりませんが、もちろん「すぐ捨てる人」も自分の感覚に従って行動しているだけですので、間違ったことをしているわけではありません。
ここでは、「すぐ捨てる人」に見られる傾向と、考えられるその人の思考や心理を紹介しますので、理解を深めていってみましょう。
「すぐ捨てる人」は何を考えているのか?
人は、どんな考え方だって出来ますし、答えは無限に存在しますが、その人のとる行動はその人なりの理由があってそうしています。
否定するのではなく、理解に努めることによって、互いに共存し、共生していけるものですので、「すぐ捨てる人」の性質として考えられるものを知り、理解していってみましょう。
・別に何も考えていない
考えられることの最も有力な答えは、「別に何も考えてはいない」ということです。
人間は、無意識の行動のほうが強く現れるものですので、いちいちひとつひとつのやることに「意味」や「考え」などは付け足さずに動くものです。
自分の中で、それが「当たり前の行動」として身についていますので、ただその感覚的なものに従って動いているだけであって、さほど何も考えていなかったりします。
ここで考える、「すぐ捨てる人」は、ただ「いーらね、捨てよ」「使わんだろコレ、あげるわ」「終わった~ゴミ捨てて片づけよ」ってだけだったりします。
性質としては、目的達成への意識が強く、「関係のないものは捨てても何も思わない」ということが考えられます。
むしろ、誰かに言われない限りは、自分の中で普通の行動ををとっているだけですので、何もおかしいとは思ってはいないのです。
・早く前に進みたい
考えているとすれば、終わればすぐに次のことを考えるタイプなだけかもしれません。
頭の中がいつも高速で回っているため、終わったことはすぐに忘れて、次に何をやるのかだけしか考えていません。
それが当然の生き方として備わっているために、無意識にそのような動きをするため、考えていることはいつも「次のこと」ばかりの可能性があります。
「すぐ捨てる」という行動に出るのは、それは今からやることに無関係だからこそ、とっている行動で、次に使うものであれば、当然捨てることはないはずです。
ただ、早く次に進むことだけに意識を向けているだけなのかもしれません。
・常に自分基準で考えている
自分を基準として考えているということは、別に自己中心的で身勝手な人間というわけではありません。
やることの全てが、ただ「自分基準」だというだけですので、性質としてはとても魅力的なタイプとも言えます。
考えていることは、いつも自分が好きか嫌いかだけであったり、必要かどうかだけなので他人へ聞くことはせずに自分で意思決定していく強さは持っていると思われます。
ただ、誰かと共有している場所やコミュニティでも同じようであれば、少し協調性には欠けているかもしれません。
それでも、このタイプはただ気づいていない、わかっていないだけですので、「それは使うからそのままにしておいて」と伝えれば、勝手に捨てたりするようなことはないでしょう。
・物が多いことにストレスを感じている
物が少ない状態、シンプルなものが好きな人は、とにかく増えることを嫌がります。
こういったタイプも、終わればすぐ片づける、不要ならすぐ捨てます。
これらの行動は、ただストレスや不満を抱えているわけではなく、さっさと片づけて後でゆっくりしたいためにやっていることがほとんどです。
もちろん、増えることを嫌うのにも理由があって、自分の中での優先事項がハッキリしていることが考えられます。
だからこそ、自分の目的へ向かうために必要なもの以外は、出来るだけ増やさないようにしようとします。
・生き方が決まっている
「すぐ捨てる人」は、自分という存在がいつもはっきりしていて、ライフスタイルそのものが確立されていることも考えられます。
そのために、自分にとってはいるのかいらないのかを瞬時に判断でき、決めたらすぐに実行します。
他人から見れば、ただ「何でもすぐ捨てる人」に見えるかもしれませんが、流れている時間の速度が違っているといったイメージで見てみましょう。
このタイプは、圧倒的な決断力と行動力を持っていて、何もかもスピーディに進めたがるので、「すぐ捨てる人」に見えてしまうだけで、当人はそれが当然の生き方なだけです。
・今を生きている
今を生きることに全力の人は、「今」という瞬間が常に入れ替わり続けていることを理解しています。
だからこそ、必要な時にはしっかりと使い、必要でなくなればすぐに捨てるのです。
これは、「今」という時間が切り替わっているため、その価値が変化することも知っているからです。
「すぐ捨てる人」は、常にリアルタイムで変化し続ける今を生きる人であって、捨てるか捨てないかということに一貫した答えは持っておらず、臨機応変に対処しているだけだったりします。
正解はどこにもない
あなたが「すぐ捨てる人」を見ていると、「物を大切にしない人」「雑に扱う人」などと考えてしまうこともあるかもしれません。
また、ものすごく判断が速くて、その生き方に憧れることもあるかもしれません。
ですが、あなたと他人は別人であって、そこに同じ答えは存在せず、どちらかが正解で、どちらかが間違っているということはないのです。
「すぐ捨てる人」は、これまでの経験で、それが自分の楽な生き方だったために、それが当たり前として身についたのでしょう。
あなたはあなたで、「捨てずに使う」ことを大切にし、出来るだけ長もちさせたり、いつかのためにとっておくことを選んできたのでしょう。
ここから先も、どんな答えを選ぶのかも、あなたが決めることです。
これまでの捨てられない自分が嫌いで、「すぐ捨てる人」を理解して、同じようになりたいのであれば、真似をしてみるのもいいでしょう。
「やっぱり私はこれでいいや」と思うのであれば、理解だけしておいて、そのままで生きていきましょう。
「すぐ捨てる人」に困っているのであれば、なぜそうしているのかを理解したうえで、「私はその行動に困っている」ということを伝えましょう。