何をやるにしても、掃除と整理整頓は大切な習慣となります。
ですが、「教育する」「指導する」という認識を一歩間違えてしまえば、逆効果となります。
大切なことは、全てのバランス、調和であって、強要してしまうと上手くいかなくなるでしょう。
近年、掃除や整理整頓、断捨離や3Sが注目されるようになりました。
教育機関や、企業が取り入れるようになったことで、さらにその波紋は広がりました。
しかし、そこに潜む落とし穴に気づかなければ、本末転倒となります。
[quads id=2]教える必要はない
掃除や整理整頓というのは、あくまで作業をスムーズに進めるため、物事をクリアにするための習慣です。
確かに、自分でやってみると、心がスッキリしたり、思考がリセットされたりといった効果があります。
だからといって、それが正解なのだと教育すれば、それがかえって作業の妨げともなりかねません。
まず、大切なことは、「自分でやってみること」です。
ひとつの仕事が発生したら、それを子供や部下にお願いして、自分でやってみる癖をつけてもらうこと。
始めのうちは、失敗ばかりですから、静かに見守って、補助となる人たちが後片付けや掃除、整理整頓をしてあげればいいのです。
それを繰り返しているうちに、プレイヤーたちは何かに気づき、掃除をしたり整理整頓をしたりし始めます。
ルールなどで強制的にやらせてしまうと、その大切さに気付かず、理解もしていない状態で、どれだけその真似事をさせたとしても、何も身に付かないものですし、成長を止めてしまうだけとなります。
バランスが大切になる
前に出て実践する人がいて、その後ろでサポートする人がいる。
これが、当たり前にバランスととれる状態です。
誰もが全員掃除と整理整頓をして、それだけに気をとられていたら、目的を見失ってしまい、本来のクリアすべきタスクが未消化になったりもします。
キレイにしたり、整えておくことは、見た目の気持ちよさもありますが、作業性を向上させることが第一の目的です。
プレイヤーが動けば、場は乱れますが、その乱れが変化を生み、流れを生み出し、次への道を切り開いてくれます。
プレイヤーの足元がぐらついた時に、もう一度足元を固めるために、整え、綺麗にして再び動ける準備をします。
この動と静の繰り返しによって、物事が進む以上は、どちらも不可欠となるもので、そのバランスが大切なのです。
片づけない人がいたとしても、それは決して間違ってはおらず、片づける人が片づければいいのです。
その逆として、片づけばかりしていて、作業に取り掛からない人がいても、それでいいのです。
片づけずに動きまわる人がいて、いつも淡々と片づける人がいて、始めて調和がとれるものなので、そこにいる全員が同じことをしなくてもいいのです。
仮にもし、誰もが同じ動きをしてしまうと、途端にバランスは崩れます。
誰も片づけずに動くだけ、片づけるだけで動かない。
それでは、物事はスムーズに進まなくなるのは当然と言えます。
織田信長は、火縄銃を絶えず放ち続けるために、鉄砲隊を半数に分けて、発砲する者と玉込めする者を交互に動かすことによって、絶えず発砲し続けるという戦略をとっていました。
これと同じように、バランスをとりながら、少しずつ前進することが大切と言えます。
[quads id=3]自分がやればそれでいい
他人に何かを強要したり、出来ていないことが目に付いたりするということは、必ず自分の中に何かがあり、それが原因となってそのように見えるものです。
周囲に見えるものは、心が映し出しているものと言われるように、自分自身の心の在り方、心の状態がそのまま外側に投影されます。
気になることがあるのであれば、それは自分がやらなければいけないことです。
誰かが片づけをしていないからといって、それを注意したり、卑下したり、避難しているようでは、それはまだ心が未熟と言えます。
出来ていない人、出来ていない状態がそこにあるのなら、それを手伝ってあげればそれで済みます。
プレイヤーがいて、マネージャーがいて、始めて上手くいくものです。
プレイヤーが出来ないことは、マネージャーがサポートすることによって、プレイヤーがより力を発揮します。
他人に見えるものは自分のこととよく言ったもので、それを相手に「しなければいけない」「するべきだ」「したほうがいい」と言う前に、率先して行動したほうが、何もかもが健全な状態が保たれるというものです。
そして、その循環によって、プレイヤーはマネージャーに感謝し、マネージャーはプレイヤーに感謝し、相互に良い関係が生まれます。
互いに出来ないことを補いあうことによって、組織の力は大きくなっていき、より高いパフォーマンスを発揮できるものです。
同じことをしようとすること、させようとすることが、互いに苦しい関係を作ってしまいますので、支え合う、サポートし合うことを目指したほうがいいでしょう。
自分に与えられた使命に集中し、それだけに尽力していれば、自然と調和はとれていくものです。
[quads id=4]幸せに生きよう
自分自身がやるべきことを全うし、今に幸せを見出すことが出来れば、周囲に対しての不満、不足感、価値観の強要は起こりません。
自然な流れに任せ、互いに役割を果たすことによって、組織は上手く回り始めます。
力を失い、流れが滞り、足元がぐらついてしまうのは、バランスが崩れている証拠です。
誰もが幸せに生きられるように、まずは自分自身が幸せになるために、与えられた役割をこなしましょう。
やるべきことはさほど多くはないはずです。
やりたいことがあるのなら、思いっきり楽しみながらそれをやってみる。
それをサポートしてくれた人たちに感謝し、誰かのやりたいことを支えてあげる。
そういった形が、互いに幸せになれる調和のポジションと言えます。
より輝ける人生を送り、高いパフォーマンスを発揮してほしいのなら、プレイヤーをしっかりとサポートしましょう。
楽しく幸せに生きて行きたいのなら、いつもサポートしてくれる人に「ありがという」を言ってみましょう。
誰がいつ、どちらの立場になるのかはわかりません。
毎日流れるように、その動きは変化しているものです。
互いに共生し、支え合うことが、幸せな世界を創る唯一の方法です。
出来ずに困っている人がいたら、助けてあげましょう。
出来ないで困っているのなら、助けてもらいましょう。
あなたの人生、私の人生が、素晴らしいことになることを祈っています。