捨てること、手放すことで豊かになれる。
掃除や片づけをして、徳を積み、シンプルに生きること。
キレイにするメソッドが叫ばれる中で、取り組みながらも忘れてはいけないことがあります。
それは、掃除や断捨離をする上で、綺麗にスッキリさせることが目的ではなく、重要なことを思い出し、尽力すべきところへの導きを得るための手段であるということです。
物事が難しくなってしまう時には、掃除や片づけはとても効果的です。
心は晴れやかになっていき、感性は豊かになっていきます。
また、モノを減らすと、意識の分散を止めることが出来、少なくしていくだけで、頭の中もクリアになっていき、ストレスが軽減されていきます。
ただ、あまり夢中になってしまうと、本末転倒。
本来の目的、目標を再び見失ってしまうことになりかねないので、そのこともしっかりと忘れずにいることです。
手段が目的とならないように
仕事やプライベート、勉強や部活など、どれをとっても同じですが、「何のためにやっているのか?」という疑問が必ずどこかで生まれます。
特に、社会人の多くを悩ませるのは、仕事です。
人生の六割の時間は仕事をしていると言われる日本人ですから、仕事そのものへの取り組み方、在り方を忘れてしまえば、苦しくなってしまって当然とも言えます。
本来、私たちは何のために働いているのか?
また、何のために生きているのか?
その疑問について、自分なりの答えを導き出すために、断捨離や掃除が効果を発揮するため、近年ではあちこちで教え込まれるようになっています。
しかし、ここに潜む危険性は、その「断捨離」「掃除」「整理整頓」ということそのものすらも、「気づき」を得るための手段でしかないはずが、片づけることが目的となってしまうということ。
キレイに整った空間は、確かに心地のいいものですが、いつも片づけることばかりを意識しすぎると、かえって作業がやりづらくなったりもします。
これこそが、「手段が目的となってしまう」という現象を再び引き起こしてしまう原因ともなっていくものです。
食べていくため、生きるため。
より楽しく、幸せになるために働きます。
また、誰かの困りごとを解決し、喜んでもらうために働いています。
感謝すること、貢献する喜びを思い出すために、掃除することや、片づけることが大切となるだけであって、綺麗にすることだけが最終目標ではないことを忘れてはいけません。
心豊かに生きる
私たちの目的は、生きることはもちろん、より豊かに幸せに生きて、まわりの人々にも喜びを分け与え、分かち合っていくことが最も大切になる目標です。
そのために、近くにいる人に不快な思いをさせないように。
少しでも喜んでもらえるように、日々何かを積み重ねていきます。
そんな中で、幸せを追い求めて生きていれば、必ず掃除や整理整頓、モノを減らすことへと辿り着きます。
便利なものは、重宝する時はあっても、だからといって幸せへは直結出来ないものです。
人間が幸せを感じられる時というのは、心の充足感、安心感、そして、居心地の良いところに居続けることです。
不衛生で、不健全な生活をしていれば、いずれは病気になったり、ケガをしたりして、楽しいことを続けることも出来なくなります。
今あるものを大切に扱い、小さな幸せを見つけるために、少ない物で生活し、シンプルになることで、心は豊かになっていくものです。
せめて増やさない努力を
欲張る心が、日常を忙しくし、大変な出来事を引き起こします。
人生は、全て自分自身によって選択できるもので、その通りの物語を辿ることとなります。
減らすことによって豊かになり、増やすことによって貧しくなります。
これは、心への作用であり、物事を複雑化するかシンプルにするかを、自らの行動によって決定していることを意味しています。
人生は引き算であり、やめること、諦めることによって何かが始まります。
手放すことによって、得るものがあり、減らすことによって与えられます。
今、もし減らすこと、やめることが難しければ、せめて増やさない努力をしてるのもいいかもしれません。
これ以上は忙しくなりたくないのなら、人生に必要のないことに、時間とエネルギーを使わないこと。
物で得られる幸せは、全て一過性のものであって、豊かになれるのは経験や体験のみです。
そして、その経験によって得たものは、何にも代えがたい財産となって、自分の中に永遠に残っていくものなのです。
生きたいように生きる
物を所有していたい、綺麗にしておきたい。
そういった意識は、成長するためにとても大切なことではあります。
ですが、やはりその意識は豊かに生きるための手段であり、目的ではありません。
捨てられない、手放せない理由を、自分自身に問いかけてみて下さい。
他人の価値観によって作られた判断なら、それは人生という貴重な時間を無駄にしているかもしれません。
本当にやりたいことをやるために、より人生を豊かに生きるために、手放すべきものは手放していきましょう。
生きたいように生きるためには、自分の人生に必要でないものは、削ぎ落としていくほうが、さらなる幸せを感じることが出来るものなのです。