
人の悩みのほとんどは、人間関係であると言われています。
複雑になってしまった心を、どう解きほぐせばいいのでしょうか?
思考をシフトすることによって、物事は単純に見えていくものです。
人間関係に悩み、物事が複雑に見えてしまうのは、何かがどこかで掛け違えられているから。
本当は、シンプルで単純なものなのですが、あれもこれもと考えているうちに、複雑になってしまうのです。
思考をシフトさせて、頭の中をクリアにし、曇った心を晴れやかにするにはどうすればいいのでしょうか?
現実だけを受け止める
まずは、起っている出来事と、自分の妄想を区別すること。
ほんのささいなことであっても、受け取り方が人によって、場合によって違います。
しかし、その受け取り方の違いの根本は、妄想であるということ。
例えば、職場の廊下で数人が立ち話をし、笑っていたとします。
ある人は、それを見て「楽しそうだな」と感じ、ある人は「私を見て笑いものにしている」と感じます。
これは一体なぜそうなってしまうのでしょうか?
現実としてあるのは、そこに人が集まって談笑しているだけ。
そこから先のことは、そこにいる人たちしかわからないことであって、感じることは全て自分の妄想であるということです。
妄想の先にいるのは自分自身
人によって、場合によって感じ方が違うのは、妄想が原因だとわかりました。
では、なぜこのような妄想が生まれてしまうのでしょうか?
人は、自分の価値観でしか物事を判断することが出来ません。
つまり、見え方、聞こえ方、感じ方というのは、そっくりそのまま自分自身の価値観を表しているということです。
目の前で起こっている出来事の、その先にある妄想というのは「自分だったらそうだから」ということにしかならないのです。
一人になって、感じたことをしっかりと思い出してみましょう。
妄想の中にいるのは、自分そのものです。
悪口を言われていると思っているのなら、普段はあなたが悪口を言っているのでしょう。
楽しそうに話しているように見えたのなら、普段から楽しく会話が出来ているのでしょう。
人間はただ、自分の外側の世界と接触することで、自分を見ているだけなのです。
まずはこのことに気づき、次にどうすればいいのかを考えましょう。
答えは非常にシンプル
昔から、「他人のふり見て我がふり直せ」や「明日は我が身」といった言葉があります。
人間関係で悩んでしまった場合は、自分の中にある妄想を利用すればいいだけ。
他人を見て、何かを感じたのなら、それが神様からのメッセージだと思って下さい。
また、鏡だと思うのもいいでしょう。
嫌だなと感じたことは、「あなたもそういったところがあるでしょう。嫌だと思うのなら次からはしないように」という意味。
いいなと感じたことは、「あなたもこんな風になれるといいね。それを大切にして、どんどん真似していきましょう」という意味。
誰がどうだとか、環境がなんだとかは全く関係ありません。
親であろうが、友達であろうが、恋人であろうが、上司であろうが、部下であろうが、子供であろうが。
全く関係はありません。
自分以外の全ての存在は、その時、その人の姿形をしているだけで、あなたへメッセージを送る存在であるというだけです。
人間関係を単純化していくコツ
理屈では理解できても、なかなかそうはいかないものです。
他人を通して、自分を知り、そして次の行動へとつなげていくためには、少しだけ考え方のコツを掴まなければいけません。
まず、最初に気を付けるべきことは、相手の姿形、言動や行動に惑わされないことです。
誰が相手であっても、同じ存在であるという認識を持ちましょう。
他人は全て神様としてもいいですし、先祖が降臨していると思ってもいいでしょう。
その人を、その人だと思うと、メッセージは受け取りにくくなります。
難しくなってしまうのは、その人との過去に記憶が自分の中に残ってしまっているからでしょう。
しかし、それは必ずあなたの中で作り出した「その人」というフィルターがかかるため、フラットに見ることが難しくなります。
そこで、神様や先祖などの例えを自分の中に生み出すのです。
「その人」を「その人」だと思わないで下さい。
目の前で起こっている事実として、言われたこと、してもらったことをありのままに受け止め、そのまま解釈すること。
物事を、色眼鏡で見るのではなく、クリアに見て、ニュートラルに判断すること。
これが、物事を単純にするために必須の心です。
ジブリアニメの「もののけ姫」の主人公が貫いた、「曇りなき眼で見定める」というスタンスです。
今とここに集中する
物事を複雑にしてしまうのは、決まって過去の記憶です。
その人とのそれまでの関係が、妄想となって生まれてきて、判断の邪魔をします。
しかし、シンプルに判断していくためには、「今、ここでどうであるのか」ということだけに集中することが大切です。
そうでないと、一度は関係がこじれた相手でも、修復は出来なくなります。
いいことがあったとしても、素直に喜べなくなります。
今ここで感じていることをそのまま受け入れること。
それに集中していくことができれば、複雑だったものは全て単純になっていきます。
そのままが一番いい

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ここまで、複雑に見えていた人間関係について、思考をシフトしていくと、あることに気が付くはずです。
ものすごく単純なことがたったひとつだけある。
それは、複雑に見える人というのは、「素直でない」ということ。
ありのままそのままに受け止め、今とここに集中するには、ただ「素直」になるだけなのです。
現実を歪めてみたり、妄想で判断してしまっているのは、素直でない自分の心がそうさせています。
心と体を一致させることができないから、過去や未来と今が混同し、時間軸がゆがんでしまいます。
大切なことは、ありのままそのままで生きること。
流れに逆らうことなく、無意味に頑張ることなく、素直な自分で生きること。
これが、全ての悩みを解消する単純な方法です。
お腹が空いたら食べて、眠かったら寝て、面倒くさかったら休んで、動きたかったら動いて。
ただそれだけを積み重ねていけば、素直な自分に出会うことができます。
ありのままそのままで生き、複雑なものをシンプルにしてしまいましょう。